Case #056: 前十字靭帯断裂の手術、TPLOにて。キャバリアKCS。 |日野どうぶつ病院|1

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Case #056: 前十字靭帯断裂の手術、TPLOにて。キャバリアKCS。

他院から相談があり、先週の水曜日に出張でTPLOを行ってきました。

10歳のキャバリアです。体重は約11kgでBCS4/5。軽度のCRFがあります。

いくつかプランを立てます。

以前はフィルムをシャーカステンに差し込んで、骨折手術のプランニングを行なっていました。

TPLOをやるようになって、改めてその時の訓練が活きてくるとは思いませんでしたが、現在はデジタルのレントゲンデータをモニターに映して、その上にこの薄い紙をのせ、手書きで骨を書いて、角度を測って、インプラント会社指定のインプラントをのっけ、コツきり部位、回転する距離などすべて記入します。紙に書いてやるということは習った方法ではないですが、骨折のプランニングからの私の習慣で、いくつかのプランを立ててからオペに臨みます。

Improve Internationalのmaster short courseでは、コンピュータ上で同じことが、ひょいひょいとできるソフトだか、ウェブサイトだかがあるのを紹介してもらいましたが、年間60万だったかなぁ・・・。とてもじゃないですがそこまでできませんので、私のベストの方法は、このようなアナログなやり方です。

2.7mmのスクリューを中心にしたもの。

 2.4mmのスクリューで計画したもの。

このキャバリアKCSはちょっとぽっちゃりさんなので、2.4mm用に15mmブレードで骨きりをし、2.7mmのプレートをあてるのがベストだと思います。

抜け目のないように。さらに想定できるトラブルを処理できるだけのものを 全て持って、他院さんでこの手のオペをするのは、かなり困難なことかもしれませんが・・・。

術中レントゲンしかありませんが、ラテはこんな感じ。

 最後の1本を入れて。

 APはこんな感じです。術中レントゲンなので、色々写っていてわかりにくいかもしれませんが・・・。

15mmブレードで切って、2.7mmのTPLOプレートをあてたので、結構キチキチな感じですが、当初の予定通りできました。

今日が、オペ後6日目です。

 跛行はありますが、術前より上手く歩けているように見えるのは、術者の欲目でしょうか???

〇〇動物病院の皆様、オペに呼んでくださり、また術後のお世話をしてくださりありがとうございました。お疲れ様でした。

 ワンチャン、お大事にしてくださいね。

R1.8.19

 術中レントゲンのコツきりラインがわかりずらかったですが、今日送っていただいたレントゲンを見る限り、まずまずの角度かなと思います。

歩様はさらに改善しているとのことでした。

 
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