Case #075: 猫のモンテジア骨折w/ファイバーワイヤーを利用, AO分類2-1-A1 |日野どうぶつ病院|1

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Case #075: 猫のモンテジア骨折w/ファイバーワイヤーを利用, AO分類2-1-A1

岐阜県もようやくコロナが落ち着いてきたようで、ホッとしています。まだまだ自粛は続けていきたいとは思っていますが、少しはストレスが減るかな。

しばらく忙しく、なかなかアップできずにいましたが、今回は1歳ぐらいの若い猫で、原因不明の左側のモンテジア骨折です。経験はわずかですが、以前から橈骨の固定にはファイバーワイヤーでやってみたいなと思っていました。

術前のレントゲンはこんな感じです。

計画としては・・・、 

 一応、成書どうりだと尺骨を通してラグスクリューで橈骨と固定となっています。ポジションスクリューだとより痛みが生じるからでしょうか。

尺骨は非常に薄っぺらくて、とてもラグスクリュー法での固定ができるとは思えませんでした。プラン2のファイバーワイヤー(#2)での固定に変更します。尺骨の整復固定をしてから頭側からアプローチを考えていましたが、余計なアプローチをせずに、先に通しておくことができそうだったので、K-wireで穴を開け、

ファイバーワイヤーを通し、

 チタン製のボタンを通して尺骨側へ。

尺骨の固定は計画通り、2.0mmロッキングプレート8穴の、骨折部位にはスクリューヘッドのみをねじ込んで強度を高めます。

全てロッキングスクリューで固定をしたのち、ファイバーワイヤーを尺骨に1回転させ、6回結紮。

 ボタンが見えるのがわかりますか?

 非吸収糸で筋膜を単純結紮縫合にて閉創し、皮下織、皮膚と縫合して終了しました。

 術直後。

 翌朝。大人しくしてくれれば、再脱臼せずに治癒すると思いますが、はてさてどうなるでしょうか。

 
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