Case #057: (経過観察)MTAを用いた生活歯髄切断法を行ったラブラドール |日野どうぶつ病院|1

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Case #057: (経過観察)MTAを用いた生活歯髄切断法を行ったラブラドール

昨年8月にクラス2の不正咬合により下顎両側犬歯が口蓋に接触し外傷を負っていたラブラドールに、MTAを用いて覆髄を行いましたが、6ヶ月が経ち、経過観察を行うことになりました。

2日ほど前に、被せ物が取れているかもしれないと電話相談があったので、そのチェックをしつつ、

麻酔下でレントゲンを撮り、2本の犬歯が生きているかどうかを調べます。

前回、処置直前のレントゲンは、

 中央の下顎犬歯歯根のレントゲンを拡大してみましょう。

両側下顎犬歯は、 広い根管と薄い象牙質。根尖は大きく開いています。 

約6ヶ月後、今日のレントゲンは・・・、

 いい感じです!拡大してみてみましょう。

半年前と比べると、根管は狭くなり、象牙質の幅は太くなっています。根尖も完成しています。 左右共に同じような感じで、今ままで左右同じように生きていたと言えるでしょう。

あぁ、良かったです。(涙)

 ちなみに、

覆髄した部分は、大きな変化がないように見えます。MTAによる覆髄の場合、デンティンブリッジができる時とできない時があると言われているので、この部分はこれでいいと思います。若干白いモヤモヤした影があるのですが、それなのか・・・?

従来、報告されている生活歯髄切断法の成功率の低さから、大抵下顎犬歯は生切をせずに抜髄根充をしていました。今回用いたMTAは報告されている成功率は92%と言われていましたので、その新しい材料を用いて覆髄しましたが、現在のところ順調です。

経過は6ヶ月ごとに見ていきます。

 

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MTA

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