Case #002: 開放骨折, AO 4-3-3 猫 脛腓骨骨折 |日野どうぶつ病院|1

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Case #002: 開放骨折, AO 4-3-3 猫 脛腓骨骨折

 

猫も室内だけというライフスタイルが定着してきており、猫の交通事故による骨折はひと昔、ふた昔前より格段に少ないです。そんな中、今回はかなり厳しい症例が回ってきました。骨折部位は脛腓骨遠位端で、しかも開放骨折です。

なんとか治してあげたいですが、このように骨の端っこで折れている場合は、言い換えれば固定するための骨が大変少なく、かつ交通事故という事でレントゲンで確認できない亀裂もあるかもしれません。さらに、本例は、骨折の断端が皮膚を突き破って外に出ていたという事です。紹介を受け、来院した時には膿が出ていました。

レントゲンを撮り直し、手術プランを練りました。プレートは遠位骨にスクリューを入れるスペースが僅かだし、感染がある時に複雑なインプラントはおくべきではありません。髄内ピンと、サーキュラータイプの創外固定が最もふさわしいと思われました。

しかし、猫の創外固定は私はいい思い出がないです。大抵、帰宅後ケージから出して自由にしてしまい、固定装置が壊れ、さらにひどい骨折になってしまったという経験があるからです。術後は毎日包帯交換をしたり、内服を長く続けたり、完全にケージレストにするという事で、術後管理はとても大変です。

このようなケースだと、断脚というのも1つの選択肢となります。最初から断脚を選べば、術後管理は楽ですし、何より一度の手術ですみます。費用の面も考慮して飼主さんとよく検討しなければなりません。

 
 
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