Case #088: 交通事故で大腿骨骨折となった柴犬(AO分類3-2-B1) |日野どうぶつ病院|1

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Case #088: 交通事故で大腿骨骨折となった柴犬(AO分類3-2-B1)

よくあるパターンなんですが、手術が立て込んでくると骨折の依頼がきます。💦
それを大抵スタッフに私から話すと2〜3日中に電話が鳴る・・・。
流石に、忙しく、私も疲れ果てていたので口にも出しませんでしたがやっぱり電話はきました。
ただし、交通事故ということだったので、食欲元気、血液検査で内臓系の数値が落ち着くまで少し猶予があります。
交通事故の場合は、最長1週間ぐらい待ってもらうことがあります。


こんな感じです。長い第3骨片あり。
交通事故の場合は、レントゲン上に写らない亀裂が入っていることも少なくないですね〜〜〜

プレートアンドロッドかなぁ。。。ダブルプレート。。。。3つほどプランを立てて臨みました。

柴犬の大腿骨骨折、久しぶりでした。筋肉の萎縮がすざまじいです。

まず髄内ピンを入れて、アライメントを整えて、遠位と近位のコッペンを引っ張って第3骨片を収めようとしますが・・・、厳し〜〜〜

あの手この手で、なんとか鉗子で仮固定できるところまでもってきました。
下手をするとここまでで、コッペンを割ってしまってさらに難易度が上がってしまうことがありますが、なんとかね、きました。
しかし、ここからが問題で〜〜〜。どうやってプレートで固定するか。

ひとまず、サークラージワイヤーで固定することにしました。

その上からロッキングシステムで固定してゆきます。

若干サイドに当てたプレートが短いので、頭側からも当て、ダブルプレートで。
サークラージワイヤーを除去して、髄内ピン1本と2.7mm(サイド)、2.4mm(頭側)からロッキングプレートとスクリューて固定しなんとか終えました。
が、5時間かかりました。。。。
TPLO以外で、ロッキングシステムを使うようになってまだ日が浅いので、色々と考えさせられる症例でした。
スクリューの進行方向にコンベンショナルスクリューと比べると全くと言っていいほど融通が効かないので、髄内ピンとの併用はなかなか難しいです。
より長いプレートを入れ、こちら側の皮質骨だけで対側まで通さないようにするか・・・。そうするとスクリューの長さの種類も短めのもので済むか・・・。
でも、端っこのスクリューは長いの入れたいなぁ・・・。

 

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