Case #040: 上顎第4前臼歯の破折の治療:根管充填

January 11, 2019

続くときは続くもので、今回も歯内治療です。

6歳半、避妊済の日本系雑種のワンちゃんですが、昨年春に左上顎第4前臼歯(208)の破折により、歯内治療を行ったのですが、近心口蓋根に#6のファイルが5mmほどしか入らず、泣く泣く抜歯をしました。

2年前の10月から昨年の10月まで、とある獣医歯科コースに参加していました。欧米から来日していた獣医歯科専門医に、前回のようなケースの際、頬側根を根充し口蓋根だけを抜去して、口蓋根抜去部が歯周病にならないだろうか?という質問をしたのですが、大丈夫だろうという事でした。

なので、今回は最悪口蓋根を抜去してでも、残してあげられるのではないかという話を事前にしていました。

 

今回は右上顎第4前臼歯(108)です。

 

 頬側に2カ所窩洞を形成します。頬側の2根には頬側に開けた1カ所からアクセスします。トランスコロナールアプローチといいます。近心頬側根にはなんとか、それでも#6のファイルで、作業長は18mmす。まだ6歳半だというのに、#6番がやっと入るスペースしかないです。近心口蓋根・・・、入りません。気を取り直して遠心根。こちらは#6、8と割とスムーズに入りました。作業長は18mm。ちょっと近心頬側根が入りにくいので、ファイルがちょっとあたっているところを削ります。ひとまず、近心頬側根と遠心根をどんどん削ります。

 

近心頬側根がKファイル、遠心根がHファイルです。

 

口蓋根らしい場所が視認できたので、#6から入れてみますと、なんとか13mmほど入りました。

 もしかするとこのワンちゃんは、途中が細くなって、根尖部分が広くなっているのかも。レントゲンを頻繁に撮りつつ、作業を進めます。しばらくすると先ほどより入る感じ。

 

レントゲンをとると割と根尖の方にいっています。作業長を測りなおすと15mm。上顎第4前臼歯は3根とも同じくらいの長さの事が多いですが、レントゲンでは15mm入れてとっても違和感はありませんでした。これでいきましょう、ということで近心根は#45まで、遠心根は#60まで入れて、ファイルが汚れていない事も確認して切削を終了。

ここまでできればあとは通常通りに乾燥、マスターポイントの決定、CaOH充填、ガッタパーチャをつめつめし、GI裏装、CR修復して終了です。

 

 

最後は2方向からレントゲンをとって、うまく行っている事を確認して終了です。


まだ7歳になっていないので、残りの半分を咬める歯なしで過ごすのはあまりに可哀想です。なんとか保存する可能性を残す事ができました。経過観察の為に麻酔下でのレントゲンを定期的にとる必要はありますが、頑張ってついてきて頂きたいです。頑張りましょう。

 

 

 

 

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