未萌出歯と含歯性嚢胞について

April 19, 2019

今週は月曜日(4/16)と水曜日(4/18)に未萌出歯の抜去手術をしたこともあり、この病気について取り上げてみたいと思います。4/18の症例は、切開した時に透明な液が少し出てきた感じがあり、もしかしたら、含歯性嚢胞になっていたのかもと思っています。

 

未萌出歯とは、なんらかの原因によって、口腔内に歯が萌出できずに顎骨内にとどまってしまっている状態の歯をいいます。含歯性嚢胞は、その未萌出歯から続発して発生しますが、主に歯冠とその周囲の膜の間に液体がたまり、嚢胞を作って、顎骨や歯を吸収してしまい、場合によっては骨折などを起こす原因となることがあります。この埋伏歯と含歯性嚢胞に関する2016年の論文を見てみましょう。誰でもネットで見られる要約だけ載せておきます。

 

 

これは、とある米国の獣医歯科専門医が経営する紹介歯科病院の過去の記録を調べて、未萌出歯と嚢胞性病変との関連を報告したものです。136匹の犬で213本の歯が未萌出歯と診断されました。この213本の歯のうち62本(29.1%)で、明らかな嚢胞性病変がありました。213本の歯のうち、146本が、下顎第1前臼歯でした。

 

短頭種が大きな割合を占めていて、213本のうち20本で含歯性嚢胞と診断され、20症例のうち17例がボクサー、パグ、シーズー、ボストンテリアだったとのことでした。

 

この研究で、未萌出歯のみられた品種の多い順に以下となっています。

ボクサー、パグ、シーズー、ラブラドール、チワワ、ボストンテリア、フレンチブルドッグ、ピットブル、ビション、ブルドッグ、ヨーキー。

 

米国と日本で国による違いはあるかもしれませんが、短頭種は要注意です。しかし、未萌出歯はどんな犬種にも見られ、どのような歯にも起こりうることが知られています。

 

埋伏歯は、いつ嚢胞になるのかはわかりませんので、嚢胞による骨破壊が起こる前に、できるだけ早く罹患歯と嚢胞を除去するののがキーポイントだと、"小動物の実践歯科学(緑書房)"に書かれています。

 

未萌出歯や嚢胞の診断にレントゲン検査は欠かせません。口内法による歯科用レントゲンでの撮影が最も適しています。歯がない(欠歯)の部分を認めた場合、特にそこが上下顎犬歯や第1前臼歯だったり、要注意犬種の場合は、全身麻酔が必要です積極的な検査を受けたいですね。

 

以上です〜

 

 

 

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