Case #058: BW1.30kgのトイプードルの橈尺骨骨折 AO 2-3-1

September 19, 2019

他にもアップしたい症例がありますが、昨日他院さんにて超小型犬の橈尺骨骨折のオペをしてきたので、そちらからアップします。

 

おととい終業間際、知人の獣医師からトイプードルの橈尺骨が入りそう。明日オペにこれる?っていうラインが入りました。一応インプラントは一通り揃えていて、いつでもオペができるつもりではいるんですが、万が一のために在庫をチェックして、昨日休診日に、午後からオペに走りました。

 

BW1.6kgと聞いていましたが、行ってみるとまさかの1.30kg。過去、最も小さい橈尺骨の犬は、1.10kgのヨーキーでした。10年くらい前だったかな、あまりの小ささに、当時出たばかりの1.1mmスクリューを使うプレート一式を購入し臨みました。1ヶ月ケージレストしてもらい、出した途端に、ポキッ。スクリューが折れてしまいました。。。。(涙)なんとか1.5mmスクリューとプレートでオペのやり直しをし、無事融合まで持っていけましたが・・・・。

 

1.30kgか〜〜〜〜。嫌な記憶が蘇ります。今回は1.5mmスクリューのロッキングタイプを準備しました。よりしっかりとした固定ができるからです。強固というわけではないですが、スクリューとプレートをロックすることができるので、動きの激しい犬の場合、スクリューの緩みを防止できるのは大きなメリットです。

 

では、レントゲンを見てみましょう。 

遠位端の斜骨折で尺骨も完全に折れています。 成長板までの距離が短い!!

ピンポイントにプレートを置かないといけませんし、ミスは許されません。

 

成長板にスクリューが入らないように場所ぎめを、術中にもなんども行います。

 この小ささ、周りの器具の大きさと比べると容易に想像できますでしょう?

どこが折れているかわかりますか?

タオル鉗子とほぼ同じ大きさのターマイト鉗子で、骨折部を仮固定しています。その遠位にある本当に細いラインが、23Gの注射針です。骨の細さは、コンビニ割り箸より細いです。しかも断面は丸いので、プレートとコツを鉗子などで挟むにも滑ってしまい、保持が大変です。

 

それでもなんとか2時間ほどでopeは無事終了しました。

 ロッキングシステムは、基本スクリューとプレートは垂直の位置関係となるので、本症例のように遠位端のスクリューを本来は尾側に少し傾けて打ちたいところですが、それができません。この部分はコツがやや広がる感じなので、どうしてもそれに合わせてプレートの形を変え、コツ幅の中にスクリューがきっちり収まるようにもベンディングしますので、3次元的にカウントゥアリングせねばなりません。

 

 骨折ラインに最も近いスクリューは、ホールにスレッドがないところなので、わずかに傾斜させて入れています。尺骨の位置も整っているので、オペとしては成功です。

 

術後1週ぐらいから動いて仕方なくなるので、その頃から外固定を当て、継続してケージレストをするのが良いと思います。

ーーーーー

今日、BW1.60kgぐらいの同じくトイプードルのワクチン接種にこられた方にも、骨折しないよう気をつけましょうというお話をさせていただきました。若い時は骨も柔らかいので、骨折しやすいです。どんなに注意していても折れる時は折れます。事故ですから致し方ありません。折れた!!!、と思っても、慌てずご連絡いただけたらと思います。

 

順調に治りますように。

 

 

 

 

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