Case #015: 歯肉の腫れ 11歳のボーダーコリー
2018.06.08 歯科
今回の症例は、BW11kg, 11歳の避妊メスのボーダーコリーで、右下顎第4前臼歯(308)に腫瘤があるとのことで、来院されました。今年の1月ごろからあるとのことでした。
覚醒状態での患部の写真はこの通りです。
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右下顎の一番大きな奥歯から1つ前の部分です。
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反対側の同部医の歯と比べると分りやすいと思います。歯冠の形が正常とは異なり、歯肉にあたる部分に小さな腫瘤のようなものがあります。一見したところ吸収病巣のように見えますが、しっかりと診断する為に、日を改めて精密検査を行うことにしました。
術中写真をみると・・・、
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小さな「何か」が2つ見えますが、おそらく歯の一部だと思います。写真では分りにくいですが、盛り上がった腫瘤の一部は非常に赤く強い炎症を疑わせます。
舌側(内側)はこのようになっています。
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ちょっと分りづらいですが、歯肉が盛り上がっています。
レントゲンでは右側はこのようになっています。
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左側と比べてみましょう。
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歯冠がほとんどなく、歯頸部の吸収が明らかです。歯根はどうでしょう? 歯根膜も根管も不明瞭ですね。レントゲン的には吸収病巣を強く疑います。
(Ref: AJVR, vol 71, No.7, July 2010)
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今回は念のために、歯頸部とまわりの腫瘤を一塊(en bloc)で切断し、病理検査に出すことにしました。
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組織採取後、骨の断端をダイヤモンドバーで骨棘を取り除き、
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骨膜を切開し、歯肉粘膜フラップを作成し、
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テンションがかからない状態にして、
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4-0 Monocrylにて単純結紮縫合にて閉創しました。
現在組織を検査センターに提出し、病理検査が来るのを待っています。
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病理結果:重度の慢性歯肉炎