Case #073: 尾側口内炎?歯周病はあるが。(詳細不明)高齢猫で全顎抜歯。
2020.03.05 歯科
ここのところ、猫ちゃんの抜歯が続いて入っています。
今日の猫ちゃんは年齢不明のDSH。10歳超えてるだろうなぁと思うですが・・・。10匹いると言われたので、何歳くらいだと思います?と聞いたところ、12~13歳とのこと。同意見です。
血液検査では軽度の脱水が見られたのみでした。
痛がって見させてもらえないと思いますと言われましたが、グローブをしてチェック。なんとか写真に収めることができましたが、すごく痛そうです。
自然出血してますね。。。
2-3日して、今日手術です。
痛み止めを処方して、随分楽そうだったと喜んでいただきました。
歯石を取ったのち、ポケットの深さを測り、レントゲンを撮りました。
ほとんどの歯でポケットは、歯周病は中等度まで。レントゲンではアンキローシスはなさそう。歯周病の歯だけを抜くのでは、根治は難しそうですね。
常法通り、
大きな一つの歯肉粘膜フラップにて剥離し、骨膜切削、
歯冠分割、
そして脱臼を繰り返します。
人の埋伏歯(親知らずが多いですが)を抜かれたことがある人は、この治療がいかに大変かご存知かと思います。それを全ての歯で行います。
猫は通常30本の歯が生えています。この猫ちゃんは2本欠歯で、28本を抜歯します。
犬歯歯冠は、臼歯部の処置に邪魔だったので一時的に切断。
脱臼後、骨棘を綺麗に削り取ります。
下顎犬歯も抜きます。
無事終了し、
右上顎へ。
右下顎と進み、
上顎を見ています。
切歯も全て抜きました。
残っているように思われるかもしれませんが、レントゲンの撮影順によりそう思えるだけで、全ての歯を抜きました。13時から始め、15時50分ごろ終了。その後、飼い主さんの希望もあり、食道チューブを装着し、16時10分ごろ終了。16時20分ごろ抜管し、入院室へ移動。
今日の疼痛管理は、局所麻酔以外に、フェンタニルケタミンのCRIも実施し、術後も流しました。
お疲れ様でした〜〜〜