Case #065: 骨盤骨折のミニダックス |日野どうぶつ病院|1

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Case #065: 骨盤骨折のミニダックス

11月上旬に、ネットで調べて来院されました。

8歳、BW3.70kg、避妊済みメスのミニダックスです。

原因ははっきりしませんが、自宅が工事中で扉に挟まれて骨折したのではないかとのことでした。

かかりつけで撮ってもらったレントゲンでは少し不明瞭の部分があったので、撮り直してみると、腸骨の斜骨折以外に寛骨臼の骨折も認められました。骨盤骨折は観測の評価がしやすいように、やや斜位で撮ります。

Pearl systemのプレート一本で固定をしたいですが、困難な場合に備えて、他のプレートとスクリューたちも滅菌しておきます。 

定法に則り大転子の骨切りをして、完全に寛骨臼の背側を露出しましたが、術前のトレーシングペーパーでのプランニングでもわかってはいましたが、骨折ラインがかなり尾側なため、鉗子などによる仮固定が非常に困難でした。止むを得ず、Pearl systemだけの固定は諦め、寛骨臼は1.5mmロッキングスクリューで、腸骨はPearl systemの2.0mmスクリューで。

体重的には1.5mmは微妙ですが、ロッキングということに期待して。

術中の疼痛管理は、フェンタニルとケタミンのCRIで、非常に良好に管理できました。術後も、引き続き継続し、覚醒後も穏やかな表情でした。

今日、術後2週で抜糸にきてくださいました。レントゲンでチェックします。

 いくらか患側も使って歩くようになって、排便も良好とのことでした。

ちょっと歳なので、完全に融合するまでには時間はかかるかもしれませんが、飼い主さんもしっかりと管理してくださっているので、きっと綺麗に治ってくれると思います。

お大事にしてください。

 
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