Case #052: 3歳、5kgのトイプードル、橈尺骨骨折、遠位端1/3斜骨折、AO分類2-3-A3
2019.07.12 骨折
この1ヶ月で依頼2件の、出張3件の骨折オペがありました。
数時間前に終えたばかりの依頼症例の橈尺骨から。
原因は高所からの落下です。体重的にはいいんですが、かなり遠位端の骨折です。最近は橈尺骨ではプランをすることもなくなっていましたが、今回は念のために計画を立てました。
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スパッと切れたように折れています。剪断状にかなりの力が加わっとと思われます。
嫌な予感がします。
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レントゲン上橈骨単骨折のように見えましたが、開けてみたら、橈骨複骨折でした。
骨折ラインが丸っとなっており、滑る滑る。かなり横骨折に近い斜骨折でもポイント鉗子で決めることができますが、今回は難しかったです。
1歳前後で多い部分ですが、若いと若木状に折れていることも多く、ぴったりと骨折ラインが合うんですが、今回は決まりませんでした。こういう場合は、遠位骨片にプレートを固定し、近位にプレートをあて、骨鉗子で保持し、スクリューで固定してゆきます。
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小さな骨片が、骨折ラインの外速と内側に確認できますね。
難儀しましたが、ほぼ、解剖学的整復に近いと思います。尺骨が綺麗に並んでいます。
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今回はトラディショナルな従来タイプのスクリューシステムを使いました。プレートがやや厚めで、活発すぎる5kgの若いプードルにぴったりだと思います。ただし、中側の3本は1.5mmスクリューで固定力を弱めています。プレートの端の近位側2本、T字の先端の2本は2.0mmスクリューです。こういうアレンジができるのも従来タイプならでわです。
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関節腔にも入っていませんし、問題はなさそうです。
骨折ラインからやや離れたところにスクリューがありますから、応力も分散されて治癒が促されると思います。
昼のオペは予約で埋まっており、また落下ということもあり来院があった夜にオペを実施しました。
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超音波洗浄機にかけて、ブラシで手洗いし、圧縮空気で筒状の部分やヒンジの水分を吹き飛ばし、 拭き取って終了です。道具は大切にしています。