Case #061: 橈尺骨骨折のトイプードル,1歳5ヶ月齢, AO2-2-1, BW5.60kg |日野どうぶつ病院|1

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Case #061: 橈尺骨骨折のトイプードル,1歳5ヶ月齢, AO2-2-1, BW5.60kg

令和元年7月25日に橈尺骨骨折のオペをしたプードル, 1.5歳の経過観察レントゲンを、紹介病院さんから送っていただきました。

現在、特に気になる症状はなく、元気に生活しているとのことでした。

使用したのは、VOI社の直径2mmのロッキングプレートとスクリューのシステムです。VOI社からは、TPLOのシステムも購入しています。当初、ちょっと面白くないところがあり、直接本社にメールで文句を言ったところ、営業部長(っぽい人)が出てきて、その人とやりとりしました。で、お互い自然が好きだったり、子供が女の子で一緒に山に登ったりしていることに触れたりしているうちに、子供や住居の写真を送りあう仲になったという、ご縁が生まれました。

骨折ラインがまだ残っていますが、AP像の尺骨はほとんど骨折ラインは見られません。

年齢が若いということもあり、非常に活発な骨反応が見られます。

ロッキングシステムは、スクリューとプレートをネジなどで固定をすることができる比較的新しい骨折固定のやり方です。スクリューとプレートを固定することで、より安定した固定を提供できる反面、やや安定しすぎかなと思えてしまうことがあります。この症例のように若くて、オペ後2ヶ月も経っていれば、従来のスクリューとプレートであれば骨折ラインは消えていると考えられます。骨折ラインが消えていないのは、骨折部への負荷が十分ではないからだと思います。

ひとまず、内側2本のスクリューを除去し、骨折部への負荷を促し、骨融合を促したいと思います。理想としては、両端のスクリューを除去、従来タイプのスクリューに入れ替えれば、より不安定になり、骨折部への負荷が増えるのですが、それではまた費用の負担が増えてしまうので、単に内側2本のスクリューを除去するだけとします。

 
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