Case #003: 猫 交通事故 下顎骨骨折 |日野どうぶつ病院|1

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Case #003: 猫 交通事故 下顎骨骨折

 

 まず、注射麻酔で眠らせた時の状態です。下顎が(患者の)左側にずれているのが分かります。また、下顎の犬歯の1もずれていますが、ちょっと分りにくいかも。

 医療用ステンレス製ワイヤーにて固定をしました。

 左下顎の皮膚を切開し、下顎骨にアプローチしています。骨折部位が分かりますね。

 骨鉗子で骨折端をあわせてみます。ぴったりあっていますが、一カ所小さな骨折が起きていますが、これはCT検査により術前に分っている事です。

骨はやや凹凸があるため、プレートもそれにフィットするように曲げた上で、スクリューで骨とプレートを固定をします。小さな骨片は筋肉が付着した状態で、スクリューをゆるめて骨とプレートの間を通して、本来の場所にもってきてからスクリューを締めなおしました。 

 閉創後、上下の犬歯を固定します。まず、左右のバランスをチェックします。左上犬歯が折れていますが、これだけ残っていれば固定に使えます。ラッキーです。口の開き具合は、あまり広げすぎると食事を食べられなくなりますので、出来るだけ狭めます。

 犬歯に下処理をしてから、ストローを咬ませ、歯科用の化学重合レジンを注入します。規定の時間待ち、ストローを切って外し、レジンの欠損部にレジンをもって強度を高めます。

顎のワイヤーの先端にもレジンをもって、患者がモノを引っ掛けたり、飼主さんが顎を触った時に怪我をしないようにします。

 手術はこれにて終了ですが、最後に鼻から栄養チューブを入れます。左側は受傷のせいでしょう、入っていきませんでした。

 

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