Case #006 犬 橈尺骨 骨折 再骨折 |日野どうぶつ病院|1

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Case #006 犬 橈尺骨 骨折 再骨折

犬の撓尺骨骨折は、主に高所からの落下などが原因で、前腕部の骨(橈骨と尺骨)が2本とも折れている状態をいいます。時に40−50cmくらいの高さから飛び降りただけで骨折する事がありますが、多くが2歳未満で、骨がまだまだ弱いということも一因かと個人的に思います。

 Case #006は、昨年同部位の骨折治療を終え、普通に生活をしていましたが、飼主さん不在時にテーブルから落下した形跡があり、折れてしまったBW 5.70kgのイタリアングレーハウンドくんです。だっこが好きな、めっちゃ甘えん坊ちゃん。居心地良さそうにだっこされています。

 まだ、最後のオペ時に2本のスクリューを取り除いた跡が残っています。

このワンちゃん以外にも、本当に残念な事ですが、再骨折をしたワンちゃんが3−4例あり、全て撓尺骨骨折です。

プレートを外すべきか外さざるべきか。いまだ議論が続いています。外さずにプレートを残す場合、本来骨にかかる負荷がプレートにかかってしまうので、骨が不要となってしまい、ひとたび骨折は治癒しますが、その後どんどん骨が減ってゆく(骨粗鬆症になる)という問題があります。また、時に、プレートを被う軟部組織が少ないので、寒冷刺激によって疼痛がおこる事もあります。

過去に外したあと、再骨折した症例では、2枚のプレートを入れて治癒させたあと、片方の弱いプレートとそれを固定する2本のスクリューのみを残し、骨吸収を最低限にしつつ、骨に強度を与えるようにしたものもいますが、幸い再々骨折は起きていません。

小さな個体では2枚充てる事ができないので、弱いプレートとそれをとめる2本のスクリューを残し、経過観察(レントゲン検査)を続けているものもいます。場合によっては、プレートだけを残し、スクリューを全て取り除いているものもいます。

 

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